改正育児介護休業法

2022年04月02日

4月ですね。こんにちは。

桜も満開。正に春まっさかり。

1日からちょっと寒いですが、寒い中見る桜もまた一興。


さて、今月から改正になったものと言えば、やはり育児介護休業法でしょうか。

産後パパ育休制度は10月から施行ですが、有期契約労働者の育休取得要件が変わるのは4月1日からですので、

有期契約の従業員の方がおられる事業主さんは要チェックです。

就業規則も変える必要が出てきますので、そこも注意ですね。


具体的には、「引き続き雇用された期間が1年以上」の要件がなくなりました。

今までは、有期契約(パートやアルバイトが多いですね)の方が育児休業を取得しようとしたときに、

「うちで働き始めてから1年経ってないから、育休取れないよ」ということがあったわけです。

それが今月からは、極端な例だと、アルバイトを始めて3日目から育児休業に入ります、ということが法律上可能となります。

さすがにそこまで極端な例は少ないと思いますが、仕事を初めて9ヶ月経った頃に妊娠がわかったので産休育休に入りたい、という例はあると思います。

今月からはその場合でも心置きなく育休を取れるようになったということです。

妊活しているから転職を迷っていた、という方には朗報ですね。

そして、会社としてしなくてはならないことは、先ほど出てきた就業規則の改定と併せて、

●育児休業を取得しやすい雇用環境の整備

●妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置

の二つがあります。

「育児休業を取得しやすい雇用環境の整備」とは、次の4つです。

① 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施

② 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備(相談窓口設置)

③ 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供

④ 自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知

この中のどれか一つ、できれば複数実施してくださいね、ということです。

一番取り組みやすいのは②の相談窓口でしょうか。

おそらく現在人事関係のお仕事をされている方が窓口になるのではないかと思われます。


「妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置」は、

周知事項としては、

①育児休業・産後パパ育休に関する制度

②育児休業・産後パパ育休の申し出先

③育児休業給付に関すること

④労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い

の4つです。


個別周知・意向確認の方法としては、

①面談 ②書面交付 ③FAX ④電子メール等 のいずれかです。

①はオンライン面談も可能です。

コロナ禍でオンライン面談の仕組みが整備された会社さんもあるかと思います。

そちらを使用していただいても大丈夫です。

注意点としては、③④は"労働者が希望した場合のみ"ということです。

「いつもメールで事務連絡してるから、育休の事もメール送っておけばいいだろう」というわけにはいきませんよ、という内容ですね。

言うまでも無いことですが、この意向確認が育休の取得を控えさせるような内容となってはいけません。

そんな意図はなくても、受け取る労働者側が育休取らない方がいいのかな、と考えてしまうような言葉の選び方をしてしまうこともあります。

ご注意ください。


10月になると、産後パパ育休制度も始まります。

それまでに、社内の育休制度を整えておくことをおすすめいたします。

この機会に就業規則の見直しや賃金・手当などの見直しに着手するのも良いのではないでしょうか。

その際は、社労士をぜひご活用ください。